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外壁タイルに塗装はアリ?プロが解説する施工のメリットと注意点

1. 外壁タイルは塗装できない?

「外壁タイルは塗装できない」と考えている方も多いのではないでしょうか。たしかに、タイルと言えば元々耐久性が高く、塗装によるメンテナンスが不要なイメージがあります。

しかし、実際にはタイル表面の汚れや色あせ、目地部分の劣化などが気になってくるケースもあり、「このまま放置しておくのは不安…」と感じることもあるでしょう。

そこで本記事では、「タイル外壁は塗装が可能なのか?」という素朴な疑問に答えつつ、タイルに対する塗装のメリットとデメリット、施工の流れや注意点、さらに失敗しない業者選びのポイントを詳しく解説します。

築年数が経過し、タイルの外観が気になり始めた方や、外壁のリフォームを検討している方は、ぜひ最後まで目を通してみてください。


2. 外壁タイルの特徴と一般的なメンテナンス方法

【2-1. タイル外壁の魅力】

タイル外壁は、耐候性に優れ、デザイン性が高いという特徴があります。雨風に強く、日光による色あせや汚れの付着も起こりにくいため、一般的には「メンテナンスフリー」に近い外壁材と見なされることが多いです。

加えて、さまざまな色・柄・形状のタイルが存在するため、建物の雰囲気に合わせて自由に選ぶことができるのも大きな魅力です。

【2-2. 経年劣化のサイン】
タイルは丈夫とはいえ、経年変化で下記のような症状が出てくる場合もあります。

・タイルの割れ・剥がれ
地震や衝撃によってタイルが部分的に破損したり、接着が弱まって剥がれてしまうことがあります。

・目地の傷み(ひび割れ・欠損)
目地部分のモルタルやシーリング材が劣化し、雨水が入り込む原因になることも。

・カビ・藻の発生
日当たりや風通しの悪い面に、黒ずみや緑色の汚れが発生するケースが見られます。


通常のタイル外壁であれば、小さなひび割れやカビなどは高圧洗浄や部分的な目地補修で対応可能ですが、広範囲にわたる色あせや汚れの蓄積、目地全体の劣化となると大掛かりなリフォームが必要になります。

その選択肢のひとつとして「タイルに塗装を施す」という方法も検討されるようになってきたのです。

3. 外壁タイルは塗装できるのか?

【3-1. そもそもタイルに塗装が必要な理由】
外壁タイルは見た目が美しく耐久性も高いため、「そもそも塗装なんて必要ないのでは?」と考える方も多いでしょう。確かに、タイルの機能自体は問題ない場合が多いのですが、下記のような理由で塗装を検討するケースがあります。

・色あせや汚れによる外観の劣化が気になる
タイルは基本的に色あせしにくいとされますが、長い年月が経つとやはり多少の色あせや汚れの付着は避けられません。

・建物のイメージチェンジ
家の外観デザインを大幅に変えたいとき、既存タイルをすべて貼り替えるよりも塗装の方が手軽な場合があります。

・目地補修を兼ねて外壁を一体的にリフレッシュ
目地部分の劣化が著しいとき、単なる補修に加え、仕上げとして塗装を行うことで見栄えを向上できることもあります。


【3-2. 塗装できるタイル・できないタイル】
タイルにはさまざまな種類がありますが、大きく分けると「釉薬タイル(表面にうわぐすりが施されたもの)」と「素地タイル(表面に釉薬処理がないもの)」に分類できます。

・釉薬タイル:表面がガラス質でツルツルしている場合、塗料が密着しにくく剥がれやすいリスクがあります。ただし、近年はタイル専用プライマーの性能が向上しており、正しい下地処理をすれば塗装が可能なケースも少なくありません。

・素地タイル:表面がザラザラしているため、塗料が比較的密着しやすいことが多いです。しかし、タイルの種類によっては吸水率に差があるため、塗料との相性には注意が必要です。


【3-3. 下地処理の重要性】
タイル表面への塗装は、下地処理が成功のカギを握ります。特に釉薬タイルなど表面が非常に滑らかな場合は、「タイル用プライマー」をしっかり塗布することで密着性を確保しなければなりません。

また、タイルの浮きや目地のクラックなどがある場合は、あらかじめ補修を行っておかないと、後から塗膜が剥がれたり雨水が浸入してしまうリスクが生じます。

4. 外壁タイルを塗装するメリット・デメリット

【4-1. メリット】

・短期間で建物の印象を大きく変えられる
タイルを全て剥がして貼り替えるリフォームよりも、塗装のほうが工期が短く、コストも抑えられるケースが多いです。

・外壁全体の汚れや傷みをリフレッシュ
塗装前には高圧洗浄や下地補修を行うため、長年蓄積していた汚れや欠損部分をまとめてきれいにできます。

・費用をある程度抑えつつイメージチェンジが可能
タイル貼り替えだと高額になりがちですが、塗装であれば使用する塗料のグレードや施工規模によって予算を調整しやすいです。


【4-2. デメリット】

・タイル本来の質感を失う可能性
タイルならではの凹凸や光沢感が塗膜に覆われるため、風合いが変わってしまう場合があります。

・密着性が悪いと塗膜剥がれを起こすリスク
下地処理やプライマーの選定にミスがあると、施工から数年で塗膜が剥離してしまうことがあり得ます。

・タイルの種類によっては不向きな場合も
先述のように、釉薬タイル等で塗料が密着しづらいものは、専門的な知識と高度な下地処理が必要になります。


5. 塗装工事の流れと費用相場

【5-1. 施工手順】
・事前調査(タイルの素材・状況確認)
まずはタイルの種類や劣化の程度、目地の状態などをチェックし、塗装が可能かどうか判断します。

・高圧洗浄・清掃
表面に付着した汚れやカビ、コケなどをしっかり洗い落とします。

・下地処理(プライマー塗布・目地補修など)
必要に応じて浮いているタイルや割れているタイルを交換し、クラック(ひび割れ)を補修。タイル専用プライマーを下塗りして、塗料の密着性を高めます。

・中塗り・上塗り(塗料はタイル用や高密着型のものを使用)
塗料メーカーの指示に従って適切な乾燥時間を取りながら、中塗り・上塗りを行います。


【5-2. 必要な日数や費用の目安】
・工期:30~40坪程度の一戸建てで、タイル外壁塗装のみなら7~10日程度が目安です。下地補修が大規模になると、もう少し日数がかかることもあります。

・費用:足場の設置費用や下地補修の有無、塗料グレードなどによって変動しますが、概ね80~150万円程度を見込むケースが多いです(規模や地域差あり)。

6. 外壁タイル塗装で使われる塗料の種類

【6-1. タイル用プライマーの重要性】
タイル塗装では、「どんな塗料を使うか」よりも「どんなプライマーを使うか」が重要といわれるほど、下地との密着性を高める工程がポイントになります。

各塗料メーカーがタイル専用のプライマーを開発しており、釉薬タイルでも高い密着性を確保できる商品が増えてきています。

テラリアではファイングラシィSI クリアーを使用します。


【6-2. おすすめの塗料タイプ】
・シリコン塗料:比較的リーズナブルで、施工もしやすい定番の塗料。耐久年数も10年程度が目安とされ、コストパフォーマンスに優れます。

・フッ素塗料:シリコンよりもさらに耐候性が高く、15年程度の耐久が期待できることが多いです。価格はやや高め。

・ラジカル制御型塗料:紫外線による劣化(ラジカル反応)を抑える技術が使われ、シリコンとフッ素の中間的な価格帯であることが多いのが特徴です。

どの塗料を選ぶかは、予算や仕上がりのイメージ、今後のメンテナンス周期などを考慮して決めるのが良いでしょう。

7. 業者選びのポイント

【7-1. タイル塗装の実績・経験】
外壁タイルの塗装は一般的なサイディング塗装に比べると難易度が高めです。タイルの種類を正確に見極めたり、下地処理を丁寧に行う必要があるため、タイル塗装の施工実績が豊富な業者を選ぶと安心です。


【7-2. 使用する塗料や工法の説明が明確か】
「なぜこの塗料・工法を提案するのか?」という理由を明確に説明できる業者は信頼度が高いといえます。施工前の打ち合わせで、プライマーや塗料について具体的な製品名や特徴をしっかり解説してもらいましょう。


【7-3. 保証内容・アフターフォローの確認】
タイル塗装では、数年後に塗膜が剥がれてくるリスクもゼロではありません。施工後どれくらいの期間保証してもらえるのか、万が一の不具合が生じた場合の対応範囲などをあらかじめ確認しておくと、後々トラブルを避けやすいです。


【7-4. 複数業者からの相見積もり】
外壁塗装は高額な工事になりやすいため、1社だけで決めるのではなく、最低でも2〜3社から見積もりを取って比較するのがおすすめです。値段だけでなく、提案内容や使われる塗料の違い、工期の見積もりなど総合的に判断しましょう。

8. 外壁タイル塗装の注意点・よくある質問

【8-1. 「タイルが剥がれそう…」でも塗装して大丈夫?】
もしタイルが浮いていたり、今にも剥がれそうな状態であれば、まずはタイルをしっかり固定し直す必要があります。塗装だけでは根本的な解決にならず、安全面でも問題が残るため、躯体や下地の修繕を優先しなければなりません。


【8-2. 「タイルの表面がムラになったらどうしよう」】
仕上がりがムラになりやすいかどうかは、下地処理の精度や塗料の品質に大きく左右されます。塗料が適切に馴染めばムラを抑えられますが、タイルや目地の凹凸を完全になくすことは難しいため、仕上がりイメージを事前に業者としっかり共有するとよいでしょう。


【8-3. 「塗装後の剥がれが心配…」】
剥がれを最小限に抑えるためには、表面の高圧洗浄や目地の補修、専用プライマーの使用が欠かせません。安易に工程を省略したり、相性の悪い塗料を使うとトラブルが発生しがちですので、施工実績の豊富な業者を選ぶことが大切です。


【8-4. 「目地補修だけしてもらうことは可能?」】
もちろん可能です。部分的に目地だけ補修するケースもあります。ただし、劣化の程度が激しい場合や、全体の美観を考慮して一体的な工事をするほうが結果的にコストパフォーマンスが高い場合もあるので、業者と相談しながら判断しましょう。



9. まとめ

外壁タイルは塗装ができないと思われがちですが、実際には塗装が可能なケースが多く、建物のイメージチェンジや劣化補修に有効な方法のひとつです。ただし、タイルの種類や下地の状態によっては塗料が密着しにくい場合もあり、専門的な知識と技術が求められます。

・メリット:短期間・比較的低コストで見た目を変えられる、汚れや傷みをリフレッシュできる

・デメリット:タイル本来の質感が失われるリスク、下地処理が不十分だと塗膜剥がれを起こしやすい

・成功のポイント:タイル専用プライマーの使用、入念な下地補修、実績豊富な業者の選定

外壁は建物を保護する重要な役割を担っています。大切な住まいの外壁改修を行う前に、タイルの状態をしっかりとチェックし、「塗装なのか、貼り替えなのか」を含めて最適な工法を検討しましょう。

外壁タイルでお困りの方は、和泉市密着のテラリアまでご相談下さい。